株式会社むらびと本舗

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400人の村を守るために、若者にとっても魅力ある職場づくりを目指しています。
むらびと本舗

むらびと本舗は、大川村の特産である大川黒牛の生産と土佐はちきん地鶏の養鶏を行う株式会社である。

株式会社むらびと本舗が飼育する「土佐はちきん地鶏」は、コーチン系の高知原産「土佐九斤」と「大軍鶏」をかけ合わせた「クキンシャモ」のオスと、成長の早い「プリマスロック」のメスを交配させて生まれた鶏。余分な脂がなく、地鶏の持つ甘味と旨みが楽しめる肉用鶏だ。
この土佐はちきん地鶏が大川村で生産されるようになったのは、平成18年のこと。当初は、個人の方が200〜300羽ほどの養鶏を行なっていたが、翌年から村としてもこの土佐はちきん地鶏の養鶏に力を入れることとなる。そして、平成19年からは一般社団法人大川村ふるさとむら公社が、農業用ハウスを転用して、土佐はちきん地鶏の試験飼育をスタートさせる。平成21年には、養鶏を専業で行う株式会社むらびと本舗を立ち上げ、村の産業として土佐はちきん地鶏の養鶏に取り組むこととなった。
現在は、10棟の鶏舎で年間12万羽を目指して、土佐はちきん地鶏を生産している。

企業からのメッセージ
土佐はちきん地鶏とは
 コーチン系の土佐の地鶏「土佐九斤」と「大軍鶏」をかけあわせた「クキンシャモ」のオスに、成長の早い「プリマスロック」のメスを交配させて生まれたのが「土佐はちきん地鶏」です。余分な脂がなく地鶏のもつ甘みと旨みをお楽しみいただける土佐の地鶏として誇れる肉用鶏です。

大川黒牛とは
 但馬牛を品種改良して生まれた、大川村で飼育されている黒毛和牛です。柔らかくてジューシーな肉質が特徴。大自然の中、傾斜地で運動する健康な若牛をたっぷりと時間をかけて肥育しています。

 毎年11月に開かれる謝肉祭は、美しい晩秋の山々に囲まれた風景のなか「土佐はちきん地鶏」と「大川黒牛」をお腹いっぱい楽しめるイベントとなっております。毎年、村の人口の3倍に当たる1,500人ものお客様にお越しいただく程の好評をいただいております。

企業基本情報

会社名 株式会社むらびと本舗
業種 農畜産業
設立 2009年4月
代表者 和田 知士
事業内容 1.大川黒牛・土佐はちきん地鶏の生産・販売
2.地場産品の研究開発、地場産品の販売促進
3.環境対策、水質改善、畜産排泄物加工処理及び販売
4.その他関連事業
本社所在地 高知県土佐郡大川村朝谷26

私と仕事

大川村の産業として

養鶏というと、卵からヒナに孵化させることを専門とした業者、ヒナを仕入れて肉用鶏に育てる業者に分かれるが、むらびと本舗では、孵卵から肉鶏として出荷をするところまで一貫して行なっている。
そのため、3棟の鶏舎で「クキンシャモ」と「プリマスロック」の交配から、孵卵、育てる、出荷という全工程を、それぞれの育成ステージに応じて行なっている。
土佐はちきん地鶏はストレスに敏感なため、環境の変化や飼料などにも気を配りながら飼育することが必要である。特に生まれたてのヒナは加温して育てることが重要であるため、徹底した温度管理のもと飼育される。また鶏舎の広さを十分に取り、動き回ることができるスペースを取り、ストレスなく飼育することを可能にしている。

土佐はちきん地鶏

ストレスなく飼育できるよう、鶏舎内の環境を整えている。

むらびと本舗の取締役副社長の近藤さんは「ただ餌をやっていたら育つというものではない。自然の中の環境にあって、いろいろなものが変化する。自分たちの技術が進歩するように新しいことにチャレンジしていかないと。」と言う。いい卵ができれば、いいヒナが生まれる。土佐はちきん地鶏の育成に最適な環境を求めて、進化を続けている。実際に、この冬平成27年度には薪ボイラーを試験導入しており、気温が低いと卵を産みにくくなる状態から安定的な供給に向けて、設備を整えている。
そのほか、鳥インフルエンザ等の疫病対策をはじめ、衛生管理面には細心の注意を払い、安心・安全で美味しい鶏の生産に取り組んでいる。

「大川黒牛」を「土佐はちきん地鶏」に続く大川村の産業へ

大川黒牛については、昭和初めから大川村で繁殖、肥育が行われていたという。農家による共同運営で飼育されていたというが、組合の解散に伴い、平成23年からむらびと本舗で大川黒牛を育てることとなった。近隣の土佐町や本山町では褐毛和種「土佐あかうし」の産地であるが、大川村では当初から、ずっと黒牛を育ててきているという。大川村で育った黒牛は大自然の中で育てられる。柔らかくてジューシーな肉質が特徴だが、年間の出荷頭数が50数頭と極めて少ないため市場にはあまり流通していないという。飼育技術はすでに確立されたものがあるというが、今後の課題はどう頭数を増やしていくかということだ。これからは、年間出荷頭数を60頭、70頭と徐々に増やしていき、土佐はちきん地鶏と並ぶのブランド化とともに、さらに大川黒牛を売り出していくことが求められている。

大川黒牛

雄大な自然の中で育った「大川黒牛」は、毎年の謝肉祭でも大人気。

私と仲間

役場やふるさとむら公社と手をとりあって、産業を支える

むらびと本舗
むらびと本舗では、養鶏10名、大川黒牛2名のスタッフで飼育が行われている。その中には大川村出身だが、一度村外へ出て帰ってきた方もいるという。また、ほとんどが未経験からスタートしたスタッフだ。先輩から技術を学びながら、飼育について学んでいく。自然と向き合う仕事だ。簡単ではないが、自分たちの飼育環境づくりによって鶏や牛がだんだんと大きく成長していくのは面白いという。
むらびと本舗
また、むらびと本舗が行う土佐はちきん地鶏の生産は大川村の一大産業。そのため、大川村役場や、食肉加工・販売を行う一般社団法人大川村ふるさとむら公社の3者による定例会を実施している。そこでは、現状や今後の生産方針などが共有され、むらびと本舗、大川村役場、ふるさとむら公社が一体となって取り組んでいく体制が組まれている。
むらびと本舗が土佐はちきん地鶏の養鶏を初めてから今年で10年。一人一人のスタッフの成長とともに、続いてきた養鶏が大川村の産業となった。生産設備や体制が整い、次は、さらなる発展を目指す段階を迎えている。スタッフの飼育技術の向上、生産量の増加、そして安定的な供給と、やるべきことは見えている。

私と地域

美味しさを育む環境

養鶏場があるのは、大川村の中でも山の上の方に位置する標高およそ750〜800mの場所だ。そのため、四季によっても天候は大きく異なり、寒暖差も激しい。鶏の飼育において重要であるのが温度管理だが、むらびと本舗はそんな逆境とも言える厳しい環境の中で土佐はちきん地鶏を育てている。そんなむらびと本舗が使用している鶏舎のほとんどは、水耕栽培が行われていたという農業用ハウスを鶏舎に転用したもの。鶏舎として使用できるよう設備を加え、使われている。鶏舎の中は、土佐はちきん地鶏の成長に合わせて飼育されており、徹底した温度管理がなされている。厳しい環境にあるからこそ、管理や飼育技術の精度を高めることが重要となる。

謝肉祭

「謝肉祭」は、むらびと本舗にとって、実際にお客様が喜ぶ顔が見られる大切なイベントでもある。


また、大川村で毎年11月に開催されるイベント「謝肉祭」は、むらびと本舗が生産する大川黒牛と土佐はちきん地鶏無くしては成立しない大人気のイベントだ。特製のタレで食べる大川黒牛と土佐はちきん地鶏を求めて、毎年村内外から1500人もの人が訪れる。目的は、何と言ってもとろける美味しさの大川黒牛と、旨みが詰まった土佐はちきん地鶏。普段は生産に注力しているため、消費者の顔をみることの少ないスタッフだが、この日ばかりは会場のあちこちでお客さんの喜ぶ顔が見られる、むらびと本舗にとっても特別なイベントだ。


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